恐らく、こんなものでは票の増減に繋がらないんだろうな…と諦感を持ちながらも聞いてみた。今までのインタビューとかを聞いたものもあるのだが、たまたま私の配慮不足で録画をせず、どこか欠けてのものだったから。放送通り、安倍→谷垣→麻生、で聞いた後、録画でもう一回、谷垣→麻生→安倍、で聞いてみての、私の評価。

 点数で言えば、谷垣禎一60点、麻生太郎50点、安倍晋三45点。

 理由は、

 谷垣禎一 … ここを自分の一大決戦と考えて準備して来たんだろう。きっちりと、自分の考える課題とそれに対する考え方を述べていた。でも、点数が合格点ギリギリなのは、では、その為に、実際に何をする積もりなのか?(対策)が、貧弱だったから。
 一番点数が高いのは、全体を通して一貫した考えが伝わって来たから。私は、ぶれないと云う為には、思い込みか、考えの一貫しているか、どちらかが必要と考えている。これについては、他の人が何が欠けていたか、を語る事で説明したい。

 麻生太郎 … 立ち会い演説会は、第一には国会議員の為のものであろうが、国民に向かって話しをしていた。考えの根拠に至って説明しようとしていた。例えば、地方への対応の考え方など。
 谷垣に較べ、点数が低いのは、考え方は説明したが、自分の考える課題をはっきりと適示する事が無かったから。何をしようとしているのか、の説明が無く、「私は信頼出来る」と説明しているに等しい。評論家の識見の高さをチェックしたい訳じゃない。
 言っている事を総合すると、安倍晋三の援護の演説をしてるのかと思ったよ。安倍が考え方を説明するので無く、こうしたい、との姿を羅列するだけなので、これよりはマシ。

 安倍晋三 … 最初(教育問題)と最後の方(年金手帳の改革…嫌に細かい民主党マニフェストにあったものが一つだけ)は対策まで踏み込むが、そのうちに課題の項目羅列になってしまい、対策を欠く。何と言っても、総花的。政権交代を叫んだ9・11衆院選挙の際の民主党の主張(内容は異なるが、スタイルが一緒)みたい。それぞれの繋がりを付けての一貫した考え方を説明出来ていない(時間の問題もあるんだろうが)。これじゃ結局、官僚の作った政策に従って運営して行くしかないだろうな、と思った。マニフェストが貧弱(他の候補は20ページ程度なのに、安倍の場合4ページ)だったが、項目の羅列でそれを補う事が出来るのか?
 どんな日本にしたいのか、は語っていたが、あんまり鍛えられた論理じゃないので、反対側から見ると穴だらけ。教育の話で特定犯罪の話から始めたが、では、その出した対策が、その事を防ぐ事に繋がるか?は疑問。騙されまい、として演説をチェックしてる人間から言えば、穴だらけ。
 おまけに、そんな日本にするために政治が何をするのか?が曖昧。例えば、経済でイノベーションをエンジンに、みたいな話をしてたけど、では、その為に政治は何をしようと考えてるのか?光ファイバーなんて、進む方向が見えてる話をして貰ったって、誰が総裁になったって同じ事。政治で何をしたいのか?が曖昧なまま、例示やらで判りやすく説明されても…本当は経済音痴だって事が見えてくるだけ。
 外交問題に関しては考え方を説明する(対策は無いが)。
 「特定の団体の為の政治でなく」、「普通の人達の為の政治」なんて言うが、所詮、政治は多くの価値の中から順序立てをして行くものである。この事を考えず、口先政治の最たる言。だから、考え方を説明する責任があるのに。

ps.安倍晋三の演説で出て来たのだが、小泉が最初に総裁選に出たときの推薦人代表で演説したのが安倍晋三だったそうな。でもって、対立候補(当選)の橋本龍太郎の応援演説をしたのが谷垣だったんだって。偶然ですな。