安倍晋三が、予想通りに自民党の次期総裁に決定した。票の分析は後にしても、心底悲しかった。意外なほどに。

 私はこのブログで小泉純一郎をけちょんけちょんに貶して来たが、実は小泉が首相になるまでは小泉の熱烈な信奉者でもあった。だから、小泉の核にあるものも知ってるし、その範囲で小泉を信頼していた。
 バカだけれども、彼が、底で信じているものを自分も理解する事が出来た。

 けど、今回は最低だ。
 騙されやすく、自分で事実から積み上げる事の出来ない人間。その上、首相になる前から、カルトな勢力との関わりを知られてるのに、首相になっちまう人間なんて、私の人生で初めての経験だ。
 週刊現代(これは、まだ店頭にあるので、名前を確認した)や週刊ポスト(記事を見て確認したのは、恐らくこれ)に書いてある事を、事実だ、と私自身が知ってる首相なんて…。今まで、誰の記事でも、どっか眉唾で読んでいられたのに…。
 「愛国者」になんてなろうとは思わない。しかし、この国を深く理解し、思い続ける事だけはしていようと思っていたが、結構、私も「日本」を愛していた事を知った。そして、情けなかった。

 恐らく安倍晋三は人間としちゃ、とってもいい人間なのかも知れん。けど、だからって、カルトな勢力に取り込まれ、縁を切る事も出来ないなんて…所謂「ブレーン」を見ただけで、吐き気がする。騙され易く、自分で事実からの積み上げを行う事が出来ないのとちゃうか?
 私の知っている限り、人間的に一番デカイと思える首相は、田中角栄だった。でも、人間的にデカイ人間のした事を見てみれば、最後はどうだったか?人間的にデカイ、とか、魅力がある、とか、信頼出来る、とか云った事とは独立した、冷徹な現実がそこにある。
 また、田中角栄みたいな事になるのか?

 田中角栄は、圧倒的な国民的人気の中で首相になった。マスコミは諸手を挙げて礼賛したもんだ。が、立花隆(と児玉達也)の記事から、その人気は地に落ちる事になった。そのときのマスコミの言いぐさは、「こんな事はみんな知っていた」だった。だったら、何故、キチンと書けない?あほくさくて、嫌になったものだ。
 その頃のWashington Postの記事(All the President's Menとしてまとめられた)に較べて、質の低さに唖然としたものだ。ロッキード事件になって初めて、新聞は書き立てたっけ(第1面がロッキード以外になったのは、1ヶ月半ほど経っての東アジア反日武装戦線の三菱重工爆破事件だったと記憶する)。
 今回も安倍晋三の色んな話は、マスコミの連中さんもみんな知ってる。なのに、それを書けるだけの核心に至る確実な証拠を挙げられないが為に黙ってる。状況証拠としては充分なほどなのに。

 一部の志ある記者だけが記事にしてるなんてなぁ。まあ、吉野家の提灯を挙げたマスコミを見て、幻滅したんだが、安倍晋三については、何時、書ける様になるんだい?

 また、自民党国会議員について見れば、総裁レースの最後の方は、ポスト願望や人気に乗った雪崩現象でしかないが、最初の方の支持の広がりに関しては、明らかに「候補の中で安倍さんとしか話した事が無い」とか言う、政策を無視した人間的繋がりの濃淡のみで寄ってきた人たちがいた。
 民主党でも、最初、小沢一郎が支持を集められなかったのと同じ状況が、自民党にもあり、安倍晋三の場合は小沢一郎を裏返した形で出現した。
 国会議員の質の低さに、呆れ果てる。人間的に成熟してない事甚だしい。情けない。
 派閥の勢力は削がれたが、派閥を作って来た、人間の質の方は、ちっとも進歩も向上も成熟もしていない。

 私は、安倍を底の方で信頼出来ない。今こそ、参院選で民主党に勝って貰いたいと、心底思う。自民党もまともな人たちは結構いるんだが、安倍を担いでいる限り、勝たせちゃならぬ。