TBSテレビ「ペテロの葬列」で、犯人からの慰謝料の発送された場所のうち、かみくらスーパーの場所が不明って事になってます。群馬県にあるんだろうと言われてましたが。

 Yahoo!地図で「かみくらスーパー」を検索してみると、確かにHITしません。ドラマ制作側でも、きっと、あらかじめチェックしていたんでしょう。でも、「スーパーかみくら」ならHITします。

これ。
http://map.yahoo.co.jp/maps?p=%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%81%8B%E3%81%BF%E3%81%8F%E3%82%89&lat=36.2719151&lon=139.1871770&type=scroll&ei=utf-8&datum=wgs&v=2&sc=3&lnm=%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%9F%E3%82%AF%E3%83%A9&uid=c7aef49b39d24f3da52b02b51cbd449464d0f936&fa=ids
「スーパーカミクラ」。結構多くの人が、同じ様に検索してるんじゃないかなぁ?

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 検索しちゃうと、出て来る事って結構あります。黒木瞳の一人娘の、犯罪相当行為(いじめっ子を懲らしめようとしたものかも知れませんが、男性に金を渡し、同級生への強姦を依頼。結果は未遂)をした当の娘の氏名や顔写真(14歳未満だったのかも知れません)、長崎県佐世保市の殺人事件の16歳高校生の氏名や顔写真、なんかは、未成年事件ですが、簡単に検索で出て来ます。と言うか、後者なんか、一部該当文字を入力しただけで、Google検索は、その氏名を検索数が多いものとして表示してくれちゃいます。タイの13人の幼児を代理母に生ませた「かも」とされる24歳日本人男性(某新興企業の創業者の息子と思われる)の氏名や顔写真も、同様です。これはタイで報道されたものを引用した上で、検索で企業の創業者家族に結びつけたもの。滋賀県大津市での、中学生3人だったかのイジメで、同級生を自殺に追い込んだ3人の名と顔写真(親の氏名、職業も)も、簡単に入手出来ます。

 これを「嘆かわしい」とするか否か、は、価値判断の問題。日本は江戸時代は五人組で相互監視を行わせ、連帯責任を以て犯罪抑止を図った国であり、戦時体制では隣組で、同様の相互監視体制を図った国です。これは、現在の北朝鮮でも参考にされ、同様の体制が組まれています。こうした「伝統」が日本で連綿と培われて来たか?1と言えば疑問ですが、いざ犯罪が発生したとき、もしくは、「義憤に駆られる」タイプの人が、近くにいた場合、そうした情報はあっと言う間に、日本全国に知れ渡る。それは、今の日本で「当然」覚悟しなければならない事態になっている気がします。それは、いいか悪いかの問題より先に、当然予想される「事態」なのです。
 犯罪なんかと関わりないものであれば、いたずらでUPされたとしても、他の情報に埋もれて行ってしまう。けれど、いざ、犯罪が絡んだときは、緊急対応の様に拡散して行く訳です。ウェブでの検索を行わないならば、ずっと知らないままでしょうけど、ね。

 これは、将来の被害を抑制しようとする周囲の社会の当然の反応と考える事も出来ます。ゲーム理論でのコンピュータ・シミュレーションでは、犯罪者(詐欺犯を含む)が得をせず、「正直者が馬鹿を見ない」為には、犯罪者に対して、他の相手とは違う対応をするしかない、てな結論が導かれた事があります。これは、犯罪学で犯罪の本質とされるlabling theoryとも合致するもの(「何を今更」ってのは、この理論を私が初めて目にした35年近く前にも持った感想でしたので、繰り返して頂く必要はありません)。
 かつて、マリノウスキーは「未開社会における犯罪と慣習」で、社会は何も強制的な(物理的な)制裁を加えないが、村八分にする事で犯罪者を「自殺に追い込む」社会を描きましたが、今の日本にも同様の方向性はあるのかも知れません。理研の笹井芳樹・CDB副センター長の自殺を聞いたとき、私が最初に思い浮かべたのは、この著書でした(笹井氏は、犯罪者ではありませんでしたが)。笹井氏の自殺に関しては、野依良治・理研理事長の無策も大いに関係しているでしょう。野依氏は、ノーベル賞受賞者であり、文系の知識(従来の儒教系の知識)も相当なものですが、大組織を率いる際の経営者としての力量には疑問を感じます。何より、経営的な問題に帯する「科学的」切り分けが低レベル(笑)。民主党政権での事業仕分けでスーパーコンピュータがやり玉に挙げられたときには、本来、評価基準の不在を批判するか、予算に関する新たな評価基準を立てるべきと主張すべきだったと考えますが、「歴史的評価に堪える事が出来るのか」と凄(すご)ごんだだけでしたし(理研のスーパーコンピュータ「京」は、日立系の撤退に伴い、NECと日立の設計思想の両方を折衷したもので、開発予算の効率の悪いものである事は事実。半導体の開発からやってるので、産業への波及効果はあるが、中国の様な、既存の画像処理チップを転用したものより、数倍の予算を食っている。国立天文台と東京大学の共同開発コンピュータは重力計算に特化したもので、机の下にあったプロトタイプからスーパーコンピュータ本体の実現まで数年で済み、電力効率は世界最高レベル。一方の「京」は、電力使用量が大きく、東日本大震災後は電力抑制の為、最高効率を実現出来ない電力抑制プログラムで動作させざるを得なかったもの)、今回のSTAP細胞の件は、一方的に小保方晴子氏を非難するだけで、自らの組織的問題点に関しては第三者委員会に委(ゆだ)ねるだけ。その前には、まともな施策と思えるものは、あんまり聞こえて来ませんでした。時間の経過に伴い、袋小路・八方塞(ふさ)がりが発生して行くのを、拱手傍観(手をこまねいて傍観)したに過ぎない、と評価せざるを得ないものに思えます。

 しかしながら、こうした、寄って集(たか)っての非難に関しちゃ、そうあってはならない「他山の石」は、簡単に探す事が出来ます。
 一つの例は、カストロ時代初期のキューバ。人民裁判そのもので、多数の民衆に「有罪」「無罪」を問う様なものでは、まともな判断は行われません。けれど、それとネット上での声とは、どう違うのか。ネットでは、即時の結論は出ないし、故に、刑罰と云う形での実力行使は行わない、と云う違いはあります。しかし、未成年者事件の親の失業や、経済的困窮は容易に発生する可能性があります。黒木瞳は、ブラック系の役で復活しました(夫はNHK勤務ではありませんが、NHKの助けが大きかった様に思います)が、大津のいじめ事件では、一人の親(AV男優経験あり)の経営する会社(CG関連)は倒産しました。長崎の高校同級生殺人事件では、父親の弁護士事務所は、そのまま経営を維持出来るのか、疑問も感じます(父親の弁護士事務所が報道に対して直接に異議を唱え、報道を抑制した面があったり、「父親は恨んでいない」「新しい母親が来て嬉しかった」などのコメントを流した事で、弁護士事務所自体も非難の対象にされる故無しとは思いません。また、死んだ実母も、夫の威光や長崎スケート連盟理事長と云う地位を背景に佐世保市の教育委員だった訳で、学校教育の在り方を考える際には、その家庭自体に言及する他ありません。長崎県のスケートリンクは全て閉鎖されていて、スケートをするには、他県のスケートリンクに行くしかない状況で、現在の長崎県のスピードスケートは、ほぼ、この犯人の家庭しか存在しません。長崎県スケート連盟の所在地は、今も父親の弁護士事務所内にあります)。
 もう一つの例は、韓国。逮捕された人は、警察署で記者会見と称するものを「強要」されますし、民衆の声が検察側の刑事告発に結びつきやすい国の様にも感じます。これと日本の状況とは、どう違うのか、じっくり考えてみる事が必要の様にも感じます。

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 また、上の例の様に「隠された」ものがネットを通じて露出されるに至るものとは別に、犯罪被害者の側がネットを使って自力で救済を図ろうとする動きもあります。冤罪事件とされるものは、先ずネットに訴えがUPされるのが、現在の一般的な傾向ですが、それとは別に、最近、相次いで話題になっているのは、万引きの犯罪映像。犯人の顔を含めてネットにUPするぞ、と「まんだらけ」が警告を行いましたし、他にもネットで万引き映像を公開する、と警告した店舗はあります。

 警察に万引き犯を「引き渡す」事はあっても、万引き犯を警察が積極的に「探して」はくれない現状で、自力救済を図る動きと解釈する事が出来ると思います。これも、現状では「致し方ない」ものの様にも思えます。

 が、「致し方無い」で現状を追認するだけなら、それは安倍晋三・内閣と大差ありません。あんなのは、「保守」と称するに値しない政治家。深い考察無しに、ぱっと見で政治の方向性を決めている様にしか見えません。が、上の様な事を「致し方無い」と考えがちな私と、安倍晋三の間に、どれほどの開きがあると言うのか。

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 「ペテロの葬列」のネット検索から、こんなところまで話が及んでしまいました。ちと最近思っていた事を書き連ねてしまいましたが、それぞれの事について、じっくり考え直してみる事が必要かも知れないと思ってます(また、ここに戻るしかないのか…)。