NHK朝ドラ「まんぷく」では、今、主人公の萬平が、3度目の逮捕となり、実刑判決を受け、刑罰に服しているところ。確かに、ドラマの主人公のモデルの安藤百福は、戦前に横流しの疑いで憲兵に捕まり(この際の拷問で内臓疾患に苦しむ事となる)、戦後、脱税の疑いで逮捕され、裁判をしている。けれど、反逆の罪で逮捕はされていないと思う(少なくとも、安藤百福の自伝「私の履歴書」https://style.nikkei.com/article/DGXMZO04010000U6A620C1000000?channel=DF170320167060 には、そんな話は出て来ないし、wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/安藤百福 にも載っていない)。また、脱税ならドラマで描かれた、軍事裁判ではない。GHQが絡んで逮捕されたとしても、占領下であっても、脱税は軍事裁判の対象ではない。軍法会議でもあり得ない。もし、万が一、遺族が軍事裁判と言っていたとしても、恐らく、それは間違い。
 恐らくは、ドラマで「フィクションだから…」と安易に軍事裁判としてしまったのだろう。反逆罪(内乱罪)も、恐らくはフィクションだと思う。でも、脱税の刑事裁判は事実なんだから、それを間違った形で描くのは、どうかと思うのだ。

<追記1 on 27 Dec 2018>

上記の様に書きましたが、私の間違いである可能性が高くなりました。

https://style.nikkei.com/article/DGXZZO0205194009052016000054?channel=DF170320167060 では、「乗り出してきたのは税務署ではなくGHQだった。大阪の軍政部で裁判が開かれ、たった1週間で『4年の重労働』という判決が出た。裁判では、こちらの言い分は一切聞いてもらえなかった。」とある。つまり、これは違法な裁判だった可能性が高い。



 ついでに言えば、安藤百福のした様な形での奨学金は、厳密に言えば、現在では、脱税に当たる。福利厚生であったとしても、だ。Googleで行っている様なランチの無料提供も、その分を給与として課税対象に含めて計算していない限り、脱税。多くの企業で、社員食堂で安いながらも料金を徴収しているのは、課税対象にしない為でもある(税務署の運用指針である政令が変わっていない限り、材料費の半分を自己負担としていれば、非課税。人件費や光熱費などは課税対象として計算に含めずともOK)。当時、そうしたものを定めた政令が無かったのか、安藤百福は裁判をした(罪状認否で無罪答弁をして、刑事裁判に入った)。で、「人質司法」よろしく「勾留」された。もしかしたら、単に、頑固だった所為で、刑事裁判を選んだのかも知れない(結局、2年程度の勾留の後、妻子の様子にほだされ、有罪を認めて、決着。執行猶予でもついたのか、罰金で済んだのか、釈放)。

<追記2 before 23 Dec 2018> この最後の3文の範囲は、朝ドラとwikipediaは、ほぼ合致していて、刑事裁判は確定したものの、その後、国を相手取って処分取り消しの裁判を起こした事になっている。この部分は、自伝にもそう詳しくは書かれていないが、きっと朝ドラの描くもので間違ってはいないのだろうと推測する。


<追記3 on 27 Dec 2018> 上記、当初「ついでに言えば、安藤百福のした様な形での奨学金は、厳密に言えば、現在では、脱税に当たる」と書き、それを維持しています。確かに、一般的な形での雇用を前提としていない場合の、奨学金については、https://奨学金.net/archives/67697663.html などに書かれた様な事情で、所得税非課税、贈与税については考慮が必要、となります。しかし、安藤百福の場合、労働をさせていながら「給料は払わず」、金銭を「奨学金のようなもの」として支出しています(https://style.nikkei.com/article/DGXZZO02051940Z00C16A5000052?channel=DF170320167060&nra に、「動機、内容といい、企業活動とは言い難い。若者たちには、当時としては決して少なくない金額を支給した。給料ではなく奨学金のようなものである。募集するとたちまち百数十人が集まった。やっていることは社会奉仕に近かった。」と書いています)。だから、「厳密に言えば、脱税に当たる」可能性が出て来るのです。尤も、安藤百福は、この活動で収入を得ていなかった可能性もあります。すると、労働の対価と言えないのかも…とは言え、「奨学金のようなもの」と言っても、では、奨学金の対象者が、全て現実に勉学の為に、どこかに通学していたのか、どうか、などを検証する必要が出てきます。が、私も、もう少し厳密に事情を詰めなければいけなかったのかも知れません。詳細な具体的事情も判らないので、今のところ、当初記述を維持し、この追記を付す事で対処します。

 朝ドラで描かれている範囲に話を限定すると、確かに労働の対価としての給料は支払っていますし、実際に学校にも行っている。その金額が当時の贈与税の額の範囲内だったかの問題は残りますが、脱税には当たらない可能性はあります(実際に、実際の法制を調べてそう描いている、って事なのかも)。


 反逆罪まで入れる必要があったのか、どうか…。反逆罪は、その後のストーリーにどう効いて来るのか不明だが、不要の筋書きにも思えてしまう。なお、手榴弾を当時ドラマの様な事情で入手して、使用して反逆罪に問われる事は、あり得た事だとは思う。今でも、普通の人の死亡後に、戦時中の銃などが出て来る事は稀な事じゃない訳だし、不発弾もそこら中に埋まってるし(笑)。

 なお、チキンラーメン、「まんぷく」では、どんな名前になって出てくるんだろう?(笑) かつて、チキンラーメンに関しては、模倣者が相次ぎ、チキンライスと同様の普通の名称だとして、「全国チキンラーメン協会」みたいなものを作って日清食品(安藤百福)からの民事裁判に対応した事さえあった筈なんだが…これを、同様に描くとすれば「コッコラーメン」では普通名称にはならないだろうし、「鶏ラーメン」?
 チキンラーメンのパッケージは、知り合いの画家に頼んで描いて貰ったそうだけど、ドラマでは要潤の演ずる義弟が描く事になるのかな? だとしたら、あの画風から、どんなパッケージになるんだろう?

 ちなみに、お姉さんへのプロポーズをしていた人が馬に乗って現れたのは、実話の由(爆)。