黄色い豚@日立柏酒場裏(ライブドア・ブログ公開版)

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カテゴリ: 郵政事業についての考え

 現在の国・地方の財政の在り方は、会計のgoing concernの原則からすると、私には八百長そのものに見える。単に国の信用力(赤字ならば、その後ろ盾に基づき、国債を発行し、それが立ちゆかなくなると、増税で賄う、と云う形で担保されるもの)に基づく保証でうやむやにされているに過ぎない。それが明らかになった際に増税で賄おうとされては、日本の民間資本の力は大きく削がれてしまう。今のうちに何とかしなくてはならない。
 破綻しているのかも知れない、と考える根拠は次の様な事である。

① 郵貯は、かつては財務省(旧・大蔵省)の資金運用部資金として運用され、現在は、国債、財政投融債として購入されている。が、この融資対象である政府系金融機関は赤字が多くの割合を占め、既に債務超過に陥っているところもある。郵貯は黒字かも知れないが、金利の差で作られたものであり、将来は税金で郵貯の金利を払うに等しい(個人的には、将来、そうした事態になったときには、郵貯の破綻認定を行い、金利を下げるべきと考える)。

② 共済年金は、公務員や私立学校の教職員の年金であるが、この年金の収支が明らかでない。公務員の場合は、職域加算として、更なる上乗せ(3階部分)がされているが、これは税金投入により賄われる。専門家の中には、共済年金は既に破綻している筈だと推定する方もいる。が、真偽は全く明らかでない。
→ 金利が上がると、多少年金支払いは楽になる。が、基金の毀損が既に発生していた場合は、そう安穏としていられない。

③ 国債残高の大きさと、その単年度収支と比較した場合の大きさは、先進国中最大に近い。歴史上は、イングランドもかつて、この程度の大きさに達した事はあるので、この大きさだけで破綻とは思えないが、①、②の様な事があるので、安心出来ない。
→ 破綻が明らかになると信用力低下による上乗せ金利と、国債残高の大きさから来る金利上昇で動きが取れなくなる。

④ 日本の政府部門の抱える米国財務省証券などを現金化するのは、その額の大きさもあり、非常に困難(これを担保にして、米国やEUから援助を貰うのか?)。

⑤ 地方には、国が後年度負担を約して自治体に借りさせたお金(2005年3月までの合併にくっついてきた合併特例債の例もある)が70兆円に上る。が、国は地方交付税を縮減しつつあり(2004年度は2兆9千億円)、財源移譲は不足している。将来、多くの自治体が借金返済だけで、事業など出来ない借金地獄に陥る可能性がある(2005年8月29日付朝刊第13面)。


 1980年代、日本には驕ったところがありました。鉄道では、安全性と正確性(punctuality)とで世界随一と誇り、郵便でも正確性と迅速性で、世界一と言う人もいました。しかし、驕りは禁物です。鉄道では、TGV(フランス)やInter-Cityでヨーロッパの鉄道は復権し、驕りから、JR西日本は事故を起こしました。郵便事業も実質アメリカに劣っている事が明らかになり、郵便番号を4桁にし、郵便物にバーコード(透明で目には見えませんが、紫外線を当てると見えるバーコードが郵便番号に従って印刷されます)が付される様になりました。
 日本でも、郵便に限定せずに、物流部門でもっと可能性のあるのに、行われていないサービスが存在します。例示してみます。私は郵政民営化で、市場の歪みが正されれば、こうしたサービスがいずれ出現する筈と信じています。A~Cは、他の記事で書いたものと共通してます。D以降が、この記事初出のものです。

A)高齢化が進む現在、店で購入、あるいは電話やネットで注文した(近場の店を対象とします)ものを即日で配達する。
→ 現在、スーパー単独や商店街でのミルク・ラン方式での配達など店で購入したものの配達を行っているところがあります(柏市内では、スーパー単独では、イトーヨーカドー柏店。また電話注文でも可としていたが、現在業種転換でサービスを中止したところとしては、マツモトキヨシ新柏店。その他、新聞報道などでミ商店街でのミルク・ラン方式の取り組みが報道されています)。これらの方式の最大の問題は、そうした取り組みに対する人員を抱えておく事がペイするか、どうか、です。専門人員ですと、フルに活用されればOKなのですが、そうでない場合、固定費となってしまいますので、収益の均衡するレベルを上げてしまうだけになるのです。戸別配達を専門とする会社が片手間に扱う事で、この問題を解決出来る余地があります。
※ ミルク・ラン方式とは、牛乳配達に見立てた呼び名で、部品配送などでも使われる方式ですが、出荷側がABC…と複数あり、配送先も甲乙丙…と複数ある場合に、それらを回って、出荷先と配送先を繋ぐ事です。私は、この問題の専門家ではないので、もっと詳しくはネット検索などでお調べ下さい。

B)上でも書きましたが、複数の運送会社からの配達を1回にまとめる事。
→ 配送会社間のネットワークが必要であり、そこに自分の家の配送方式(生鮮物は書く配送会社から当日配達、その他のものは、まとめて1社から配達など)を登録する事により、配達会社では、それを参照し、配送会社間での荷物の受け渡しと、配達を行う。

C)配達は、地域によっては、細かく地域割をした上で、介護のデイ・ケア・サービスが同時に担った方が全体費用が少なくて済む場合もあります。そうした形で、同じ地域に戸別に受け渡すもの(人である場合もあります)がある場合、兼業出来る様にする事。

D)郵便図書館
→ イギリスには、国立の定期刊行物を主体とした郵便図書館が存在します。海外の者も利用可能ですので、研究者などはよく利用しています。日本でも、公立図書館がネットワークを組むなりして、こうしたサービスが可能な筈と考えます。現在、DVD(軽量です)などでは、インターネットでレンタルが出来ます。別に無料でなくとも、レンタルで、宅配事業や郵便を使った貸本屋なんかも出来る筈です。

E)切手のプリンタ印刷
→ アメリカでは郵政事業は国営(USPS)ですが、民間の事業者が様々に絡み、インターネット上でクレジットで郵便料金を払い、それを証明出来る切手をプリンタから印刷する(画像で認証出来る様にしている)と云うサービスが存在します。アメリカで出来て、日本で出来ない筈がない。
 何故、切手は購入の上でないとイケナイのか?郵便局や企業などでは、郵便計量器があってスタンプで代用出来ますし、切手もコンビニで買えたり、郵便局には自販機があったりします。でも、家庭のプリンタで購入出来る方がコストは絶対に低い筈です。人件費もかからないし、切手自体の物流費用もかからないのですから。プリンタで印刷した切手に割引措置があってもよい筈です。


なぜ、郵政事業は民営化しなければならないのでしょうか?この問いには、民営化すべきだと云う方向と、民営化すべきではないと云う方向の議論が存在し得ます。私は、民営化すべきと云う意見です。

その理由を簡単に書いてしまえば、
① 国営や公社では、事業の柔軟な発展が妨げられる(他事業を取り込むと云う事ではなく、本来の事業の発展が妨げられる)。
② 同類の事業をやっている民間会社と同じ位置に立っていないので、市場を歪めている。イコール・フッティング(equal footing)でない。
③ それぞれの事業の計算が明らかになっていない(損益計算書が民間と同じ基準で作成されていない)。
④ 郵政事業の資金が、財政を歪めている。
と云う事です。私の考える優先順(優先度の高い順)です。①の方が優先度が高く、④が一番優先度が低いものです。

順に説明します。

① 国営や公社では、事業の柔軟な発展が妨げられる(他事業を取り込むと云う事ではなく、本来の事業の発展が妨げられる)。

 一般に、郵便事業は先細りであり、それを他の事業(郵貯・簡保)の収益で賄っている、と言われます。現在の郵便事業のやり方そのままでは、そうでしょう。
 しかし、本来の物流事業の可能性は、こんなものではありません。例えば、店などで購入したもの、あるいは注文したものを配達するのに、現在は物流会社は使われていませんが、それを専門の物流会社にアウトソーシングすると言う方向もあり得ます。また、現在、複数の会社(ヤマト、佐川、郵便局など)から別々に配達されて面倒くさい思いをしている方の為に、届出本人からの申し出に伴い、物流事業各社の荷物を一社に集約し、1回の配達で納めるなど、まだまだこの業界には発展の余地があると思っています。それらの可能性が、国営や公社と云った形では、潰してしまっていると考えます。
 残念ながら、郵貯、簡保の現在の営業には、この様な可能性を感じはしないのですが。
 
 ついでに、物流事業で進んで欲しい方向を、もう少し詳しく、列挙してみます。
A)高齢化が進む現在、店で購入、あるいは電話やネットで注文した(近場の店を対象とします)ものを即日で配達する。
→ 現在、スーパー単独や商店街でのミルク・ラン方式での配達など店で購入したものの配達を行っているところがあります(柏市内では、スーパー単独では、イトーヨーカドー柏店。また電話注文でも可としていたが、現在業種転換でサービスを中止したところとしては、マツモトキヨシ新柏店。その他、新聞報道などでミ商店街でのミルク・ラン方式の取り組みが報道されています)。これらの方式の最大の問題は、そうした取り組みに対する人員を抱えておく事がペイするか、どうか、です。専門人員ですと、フルに活用されればOKなのですが、そうでない場合、固定費となってしまいますので、収益の均衡するレベルを上げてしまうだけになるのです。戸別配達を専門とする会社が片手間に扱う事で、この問題を解決出来る余地があります。
※ ミルク・ラン方式とは、牛乳配達に見立てた呼び名で、部品配送などでも使われる方式ですが、出荷側がABC…と複数あり、配送先も甲乙丙…と複数ある場合に、それらを回って、出荷先と配送先を繋ぐ事です。私は、この問題の専門家ではないので、もっと詳しくはネット検索などでお調べ下さい。
B)上でも書きましたが、複数の運送会社からの配達を1回にまとめる事。
→ 配送会社間のネットワークが必要であり、そこに自分の家の配送方式(生鮮物は書く配送会社から当日配達、その他のものは、まとめて1社から配達など)を登録する事により、配達会社では、それを参照し、配送会社間での荷物の受け渡しと、配達を行う。
C)配達は、地域によっては、細かく地域割をした上で、介護のデイ・ケア・サービスが同時に担った方が全体費用が少なくて済む場合もあります。そうした形で、同じ地域に戸別に受け渡すもの(人である場合もあります)がある場合、兼業出来る様にする事。

② 同類の事業をやっている民間会社と同じ位置に立っていないので、市場を歪めている。イコール・フッティング(equal footing)でない。

 上の場合の様な新たな取り組みを行う場合に、独占分野があり、他の会社と同じ基盤で争わないところがある場合、民間で新たな業務を取り組んだところが不利な立場となります。特に、民間が始めた新たなサービスに後から郵便局が参入した事例は、その可能性が高く、ヤマト運輸に対する郵便事業の後追いは、この例に該当します。
 また、郵便局が法人税を払っていない、ですとか、郵便貯金が国の暗黙の保証を背景として預金保険を払っていない、ですとかは、民業圧迫そのものです。実は、郵便貯金の名寄せシステムが欠陥品であり、名寄せを充分に行えない故に、富裕層の資金の逃げ場所になっている事(一人当たり何千万円もの資金が、複数口座に分かれて貯金されている)も皆が知っている影の実態です。
 国営もしくは公社の郵政事業が新たな分野に乗り出す事自体が、不公平(unfair)なのです。

③ それぞれの事業の計算が明らかになっていない(損益計算書が民間と同じ基準で作成されていない)。

 郵政事業の赤字体質をどう郵便貯金や簡保の収益が支えているのか、今の会計では判然としていません。これが②と相俟って、競合企業の圧迫となり、市場を歪めているのです。
 また、金融会社と事業会社を同じ会社が行ってはならない、と云うのは、事業会社のリスクと金融会社のリスクを分断する上での金融行政の鉄則です(法律上も明記されています)。現在、日本郵政公社だけがこの例外なのです。

④ 郵政事業の資金が、財政を歪めている。

 日本郵政公社は独立採算であり、一銭の税金も使わずに運営されている、とはよく言われる言葉です。以前は、郵便貯金の金利(入り口)と財務省資金運用部資金(出口)の金利に明らかな差があり、直結していたので、赤字になりようがありませんでした。
 現在は、入り口と出口は直結していません。国債や財政投融債などで運用されています。その限りにおいては、資金の流れにかつて(出口と入り口が直結していた時代)ほどの歪みはありません。民主党が主張する国債や財政投融債に流れるのだから、資金は官から官に流れていると云う議論は、この部分では誤りです。民間の銀行も、リスクを回避する余り、資金の多くを国債購入や他国の政府証券などに当てています。
 問題は、郵便貯金の資金が国債以外、ほぼ無条件で、財政投融債の購入に当たられている事です。現在、政府系金融機関でも赤字のものは存在し、既に、債務超過に陥っているものも存在します。この処理はどうする積もりなのでしょうか?完全な民間の原則であれば、それは貸し倒れとなり、郵便貯金の欠損となる筈ですが、政府の信用を背景(財政投融債には政府保証が付いています)に、その政府系金融機関は存続し、郵貯の会計上もいまだ貸し倒れ引当金も計上しない始末です。この構造こそ「隠れた国民負担」と呼ばれているものなのです。
 小泉首相のかつての論では、この論拠が第一であり、市場を歪めている事が第二でした。私の考える優先順位とは異なっています。

以上の様に、郵政事業は、そもそも民営化するのが優先順位の第一と考えます。民営化せずに、一部業務の修正で進めようとする議論は、原則と例外の論の立て方を間違った議論であると、私は考えています。


このブログでは、基本的に民主党支持の私が、郵政民営化を巡って投票行動に迷う様を自分なりに考えてみようと始めたものです。しかし、見に来て下さる方もいらっしゃるし、自分勝手に、こっちがイイ!こっちはダメ!と書き連ねているだけでは、申し訳ない。何よりも、論点を巡って、選択肢をさまよっているだけでいいのか?自分なりに、この問題をまとめてみる事は、自分の今後の言動を一貫したものにする為にも有用な作業と考え、「郵政事業についての考え」の書庫の中でまとめて考えてみる事にします。

※ 私はブログと言うものを、11 Aug 2005に初めて開設し、Yahoo!blogsも見るのも触るのも、まだ1週間に満たない経験しかないものです(実は、ITコンサルタントの経験はあり、基本的な知識はあるのですが)。その為、このblogでも、投票を開設しようとしているにも関わらず、上手く行かない(字数数制限か何かの為と思います)とか、書いているものも何回か更新されない(確認画面で終了しちゃった?)とか失敗を繰り返してます。ご迷惑をお掛けする事もあるかと思いますが、ご容赦を。


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